2013年01月17日

時には技術の問題にしてみよう

HSPや内向型の方は自分の敏感さに生きづらさを感じていらっしゃいますが、その多くは対人関係の問題として現れます。

・仕事の話はできるけど、何気ない雑談ができない。

・周りのノリについて行けず、場を白けさせてしまう。

・初対面の人と話が続かない。


これらはカウンセリングに来られる方に多い相談の1つです。

これを読んでいる皆様の中にも、「そうそう!それ!」と膝を打ちたくなる方が多いのではないでしょうか。

何を隠そう私もそういう時期がありました。

初対面の人と一緒になると、何を話していいか分からないので、ひとまず相手にしゃべってもらおうと質問を投げかけてみる。

でも、広げられず…(-_-;)

「最近面白いことあった?」と相手から聞かれても、

何も思いつかず…(-_-;)

気まずい沈黙…。

そして、家に帰って一人になると、ドッと疲れが出る。

自分はなんてつまらない人間なんだろう…と、猛烈な自己嫌悪と後悔が押し寄せて消えてしまいたくなる。

この生きづらさ。

カウンセラーとなって驚いたことには、同じような悩みを持ってらっしゃる方が非常に多いのです。毎日のように、そんな悩みをお持ちの方がカウンセリングに来られます。

そして、こうおっしゃいます。


「人見知りは治るでしょうか?」「性格は変えられますか?」


でも、ちょっと待って下さい。

その状態を「人見知り」や「性格」と捉えてしまうのは危険です。

「人見知り」という言葉だけではなく、このブログでは「HSP(過度に敏感な人々)」や「エンパス(共感しすぎる人々)」「内向型」という言葉を紹介してきました。

そういった新しい言葉は、自分の性質を知ることで対策を立てたり、自分の性質を受け入れる上では非常に役立ちますが、一方でレッテルを貼ることで可能性を奪ってしまう側面もあります。

ですので、

時にはそれを「人見知り」や「HSP」や「エンパス」といった性格、性質の問題ではなく、

単なる技術の問題としてみることも大切です。

【もしあなたが話の達人になったら】

カウンセリングの際に、私が必ず尋ねる質問があります。

「最近、印象に残っているエピソードをなんでもいいので教えて下さい。」

そう尋ねると、ほとんどの方は、

「温泉に行って楽しかったです。」

とか、

「映画を見に行って面白かったです。」

といった、一言で返って来ます。

そこで「どう楽しかったのですか? もう少し広げてください」と突っ込んで聞いてみると、

「う〜ん。」と詰まってしまいます。

楽しさを伝えるための話題の切り口や、エピソードが出てこないのです。

正確に言うと、出てこないというよりは、そもそも記憶を言語化してエピソードとして語るというような頭の使い方に慣れていないのです。

実は、エピソードを語るというのは、脳にとってとても高度な働きです。

出来事の記憶にアクセスして、面白い部分や重要な部分を選んで(それ以外を削除して)自分の感情にもアクセスして的確な言葉を選び、事実と感想を構成して言葉の抑揚とともに声に出す。

それらのことを一瞬で行なう必要があるわけです。

話すのが好きな人は、日常的にそういった頭の使い方をしてきていますので、鍛えられています。

でも、自分を人見知りだと自認する人の多くは、人と話す機会が少ないので、まず間違いなくこの脳機能が衰えています。

ですので、まずいろんなエピソードを作ってもらう脳トレ・メニューをお伝えして脳機能を活性化してもらいます。

そうすると頭がフル回転して、おでこの辺りがピリピリするとおっしゃいます。

そして、人によってはこういった訓練だけで「口から勝手に言葉が出てくる〜。」というくらいに話せるようになるのです。

それ以外にも、

・初対面の人に質問をする技術。

・相手の答えを広げる技術。

・自分の体験を面白おかしく語る技術。

・褒める技術。

・共感する技術。

などの全てを習得したとたらどうなるでしょうか。

想像してみてください。

今のあなたの性格はそのままに、もし初対面の人と話す技術には絶大な自信があるとしたら。

相手からどんな答えが返ってこようと、それを広げて話題を続ける自信があるとしたら。

あなたはどんな風に日常を過ごすでしょうか?

どんな風に感じるでしょうか?

もしかしたら、私たちは武器も持たずに戦場に出て行って、敗退を繰り返しては、それを性格の問題にしてきていたのかもしれません。

一方ではHSPとしての対処法を身に付けつつ、心や感情を癒しつつ、もう一方ではこの世界を渡り歩くための武器を磨く。その両方の努力をして行きましょう。

大丈夫です。

HSPであろうとエンパスであろうと、内向型であろうと、のびのびと自分の性質を生かして人生を楽しむことは可能です。

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posted by ms at 11:42| Comment(2) | 会話が苦手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月29日

人見知りで雑談が苦手

このブログは、HSP(過度に敏感な人々)やエンパス(共感しすぎる人)をテーマに書いていますが、このタイプの方の相談に多いのが、「人と打ち解けるのが苦手」というテーマです。

・雑談ができない。

・人の輪の中に入れない。

・1対1なら少しは話せるが、3人以上になると話せなくなる。

・話はできても相手と心を通じあった気がしない。


など、とにかく人とのコミュニケーションが苦手だと訴える方が多いのです。

そういうクライアントさんに対して、私はまず「誰でもいいので、普通に話せる人はいませんか?」と尋ねます。

すると、「それが…誰もいないんです…。」と返ってくるので、

「本当に誰もいないですか? 例えばお母さんはどうですか?」と聞いてみると、

「ああ、母とか兄とは普通に話しますよ。」とおっしゃいます。

お母さんとは冗談を言って笑いあったりすることもあると言うのです。

「他にも、この人となら比較的話せるという人はいませんか?」と振り返ってもらうと、相手によって多少の違いはあれど、何人かは話せる人がいることが分かって来ます。

つまり、この方は人と話せないわけでもなく、コミュニケーションが取れないわけでもなく、しっかりと話せる自分はいるのです。

ただ、ここぞという時に、話せる自分が出てこないというのが問題なのです。

整理してみましょう。

この方の悩みは正確に言うと。

☓ 人と話せない。

ではなく

◯ 話せる自分が出てこない時がある。

ということなのです。

【あなたの中の複数のキャラクター】

心理の世界をひもといてみると、あなたという存在は1人ではありません。

人の潜在意識の中には、実にさまざまな人格(キャラクター)が入っていて、その数は数十〜数百と言われています。

あなたという存在はつまり、複数のキャラの寄せ集めなのです。

そのキャラクターのことを心理の世界では「パート」と言います。

オーケストラのパートを思い出していただくとわかりやすいですね。

バイオリンのパートもいればピアノもいる。チェロもフルートもいて、オーケストラの全てのパートがバランスを取って、1つの音楽を奏でます。

同じように、あなたという存在も、さまざまな場面で、さまざまなパートが出てきて、対応していますが、それらの対応、反応をひっくるめて、あなたの性格であり人間性なのです。

先生や上司の前では従順なパート。

家族の前では反抗期みたいに口の悪いパート。

仕事をしている時はキリキリと頭が回る仕事モードのパート。

友人の前ではおちゃらけたパート。

人の輪に入ると気後れして喋れなくなる引っ込み思案なパート。

珍しいところでは、外人を前にすると、英語で話すエセアメリカ人のような陽気でフランクなパート出てくることがあります。

これら全てをひっくるめて、あなたという性格が出来上がっているのです。

しかし、こんなにたくさんのキャラの寄せ集めであるはずのバリエーション豊かな自分を、どうして私たちは「人見知り」という限定されたレッテルによって、閉じ込めてしまうのでしょうか?

【思い込みがセルフイメージを作る】

人というものは、良い経験よりもネガティブでショッキングな出来事ほど強い印象を受けて記憶に残しやすいものです。

ですから、人と上手くしゃべれなかった経験があると、すぐに自分に対して「人見知り」や「引っ込み思案」といったレッテルを貼ってしまいがちです。

そして、そうやって、レッテルを張ってしまった途端に、人と気兼ねなく話せている他のパートの存在は忘れられ、「人見知り」がセルフイメージとなります。

セルフイメージができあがると、今度はセルフイメージに合った人見知り体験だけがどんどん印象に残っていき、それ以外の自然に楽しく話せた体験は盲点となって記憶に残らなくなってしまいます。

こうして、どんどん「自分は人見知りで、人と話せない。」という認識が強化され、人見知りが真実のように思えてくるわけです。

でも、よくよく振り返ってみると、盲点として印象に残っていないだけで、実は結構話せる自分も存在しています。

あなたはどうでしょうか? 

ここで、少し時間を取って振り返ってみてください。

話が続かなかったり、人見知りモードな時もあれば、饒舌に話すモードもありませんか?

自分ではなかなか気づきにくいものですが、あなたの中にもいろんなキャラ(パート)が存在していて、さまざまな人とさまざまな関わり方をしているものです。

【性格の問題ではなくキャラの問題にする】

このように、自分というものを1人ではなく、複数の寄せ集めだとする捉え方は、とても便利であなたの助けになってくれます。

例えば、大学に入学して、新しいグループの中で人見知りして、話が続かなかった場合。

これまででしたら「またやってしまった…。私ってなんて面白くない人間なんだろう…。」と深刻に落ち込んでしまっていたかもしれません。

でもパートという考え方に馴染んでくると、

「あちゃ〜。人見知りキャラが全開になってる…(^_^;)」と、自分に対してユーモアと距離を取って扱えるようになります。

つまり、問題は自分の性格ではなく、自分の中のキャラの発動タイミングの問題に変わるのです。

そして今後の対策も、大学の新しい友人グループに対して、

・自分のキャラを模索する。

・キャラを定める。

・キャラを育てる。

といった努力に変わっていくのです。

これまでに漠然と悩んでいた「暗い自分を変えなければ…」といった問題や、努力の方向性とは大違いです。

あなたの性格が暗いのか明るいのか、面白いのかつまらないのか、そういうことは決して一概には言えませんし、わかりません。

誰かの前では明るく面白かったこともあったでしょうし、他の誰かの前では暗くつまらなかったこともあったでしょう。

また無理に明るくなくても、「暗い面白さ」というものもあるかもしれません。

だから、一旦自分の性格についての悩みは脇に置いて、今の環境を楽しむのに役に立つキャラを育てることを意識してください。

そこに意識が向かい始めると、コミュニケーションに失敗しても、笑いながら軽い気持ちで違うチャレンジができたり、

バラエティー番組や周りの友人のやり取りを見て、いろんなキャラ設定を学ぶことができるようになります。

そしてある時、あなたのキャラがバシッと定まると、不思議なくらい楽に自分の口から言葉が溢れ出すことに驚くことでしょう。

【コーチング】

・明日からのあなたの日常を楽しいものにしてくれる力があるのは、あなたの中のどんなキャラクターでしょうか?

・そのキャラクターが完全に発動したとしたら、どんな風に人と関わり、どんな姿勢で、どんな表情で、どんなことを話していますか?
posted by ms at 16:47| Comment(2) | 会話が苦手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする